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シン・エヴァンゲリオン劇場版:|| 上映前撤退考察~タイトル編~

公式予告映像でシンジくんが「さようなら、すべてのエヴァンゲリオン」と言っているように、1995年にTVアニメが放映され、多くの謎を残してきたエヴァが2021年1月23日公開予定のシン・エヴァンゲリオン劇場版でついに完結を迎える可能性があります。

今回は今までのタイトルについての伏線を整理したいと思います。

■エヴァンゲリオン表記の謎

TVアニメ版、旧劇場版のタイトルは「ヴァンゲリ」であり、2007年から始まった新劇場版のタイトルは「ヴァンゲリ」表記でした。

∇TVアニメ版

・1995年放映 新世紀ヴァンゲリ

∇旧劇場版

・1997年公開 新世紀ヴァンゲリン劇場版 Air/まごころを、君に

・1997年公開 新世紀ヴァンゲリン劇場版 シト新生

∇新劇場版

・2007年公開 ヴァンゲリン新劇場版:序:1.0

・2009年公開 ヴァンゲリン新劇場版:破:2.0

・2012年公開 ヴァンゲリン新劇場版:Q:3.0

そして今回のタイトルは「シン・ヴァンゲリン劇場版:||」。これは確実に新劇場版ではなく、TV版&旧劇場版を意識したタイトルになっています。

「ヱ(や行)」と「ヲ(わ行)」は発音が区別されなくなり使用されなくなった文字ですがもともとは明確な違いがありました。そのため、新劇場版序・破・QはTV版、旧劇場版とは異なる世界の物語という印象をタイトルで感じさせています。つまり、単純なリメイクではなく新しい作品であることを暗示しています。

「シン・エヴァンゲリオン劇場版」の公式予告を見る限り、Qの続編かととらえてしまいますが、タイトルを見る限りTV版と旧劇場版の続編であることを暗示していると推測されます。

■新劇場版タイトル末尾の謎

さらにタイトル末尾の記号の謎について考察していきます。

新劇場版で使用されている「序・破・急(Q)」というのは作品構成パターンの1つ。

・「序」:作品の導入部。「起承転結」の「起」

・「破」:作品の転換部、展開部。「起承転結」の「承転」

・「急」:作品の結末部。「起承転結」の「結」

※急はQと表記されているため、「Question」とのダブルミーニングととらえられます。

さて、今回の映画のタイトル末尾を見てみましょう。

||(リピート記号):楽譜の反復記号。はじめもしくは「||」に戻り繰り返す。

「||(終止線):楽譜の終止記号。曲の終わりを意味する。

反復記号、終止線のどちらとも取れるシン・エヴァンゲリオン劇場版の末尾記号は「Q(急)」同様ダブルミーニングなのではないでしょうか?「||」でループ世界であること、「||」でエヴァが完結するということを暗示していると考えられます。

■新劇場版ナンバリングの謎

新劇場版ではそれぞれにつけられているナンバリングにも謎が秘められています。

∇新劇場版

・2007年公開 エヴァンゲリヲン新劇場版:序 1.0

・2009年公開 エヴァンゲリヲン新劇場版:破 2.0

・2012年公開 エヴァンゲリヲン新劇場版:Q 3.0

・2021年公開予定 シン・エヴァンゲリオン劇場版:|| 3.0+1.0

カウントアップしていた数字が今回「4.0」ではなく「3.0+1.0」になっています。

この数字の解釈を考えれば展開を推測できるのではないでしょうか?

○ループ世界線から新たな世界線へ

渚カヲルが主人公であるシンジくんに対し「また3番目とはね」「変わらないな、君は」「今度こそ君だけは、幸せにしてみせるよ」と話しているため、ループ世界の物語であることを暗示しています。(そうするとループしているのはカヲルくん)今回の映画はヱヴァンゲリヲン 3.0(Q)シン・エヴァンゲリオン 1.0(序)へと続く物語という意味なのではないでしょうか。

また、ループ世界の物語ではあるが、ヱヴァンゲリヲン新劇場版のストーリーは完結し、シン・エヴァンゲリオンの始まりである可能性が考えられます。その証拠に碇シンジ役の緒方恵美さん試写会前にこうツイートしています。「昨日、とあるご報告を受けました。やっぱり、エヴァは、エヴァだった… (笑) 最後まで、どうか、見届けてください。 お楽しみに。」「これが、最後のエヴァです

このツイートは初号試写会前だったため意味深でファンがざわめきました。その時の記事はこちら↓

■サブタイトルの謎

新劇場版にはこれまでサブタイトルがつけられてきました。今回のサブタイトルは「THRICE UPON A TIME

これはジェイムズ・P・ホーガン作のSF小説のタイトル「未来からのホットライン」の原題からつけられている説が有力です。小説の内容は「時間をさかのぼって情報を送ることができる装置」を開発した主人公が世界を破滅に追い込んだ事件を解決しようとするタイムスリップものです。「シュタインズ・ゲート」の元になった作品。

果たしてこの小説が今回の映画のストーリーを読み解く鍵となるのでしょうか?

エヴァはこれまでも何度かタイトルにSF小説のタイトルをつけてきました。内容も同名タイトルの小説と近かったり、似た解釈ができるためタイムスリップは今回の映画のキーワードになるのではないでしょうか。

・TV版最終話

世界の中心でアイを叫んだけもの」⇒ハーラン・エリスン作のSF小説のタイトル

表題の小説は14ページの短い作品ですが内容は少々難解です。世界に蔓延する狂気が時空の果てに放出され、様々な時代と世界に波及していく。その狭間に存在する本当の愛を説いた作品。

・新世紀エヴァンゲリオン劇場版

「Air/まごころを、君に」⇒ダニエル・キイス作のSF小説『アルジャーノンに花束を』の映画版タイトル

内容は知的障害者が、手術をして脳が活性化され天才になるストーリーだが、最後は知能が退化していって元の知能に戻ってしまうという救いの無い物語。

■まとめ

タイトルだけ見てもこれだけ推測でき、考察を楽しませてくれる作品は他にはない、エヴァならではなのではないでしょうか。個人的には謎は謎のまま残して、いつまでも完結しないシンのエヴァンゲリオンとして続いていくことを希望します。

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